【知識の多様化と深化】パフォーマンスを高める鍵が集中力である理由

ビジネスにおける集中力
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このブログでは、「集中力」ということをテーマに様々な視点から、集中力はなぜ必要なのか?集中力を高めるのに効果的な方法について投稿しています。

前回の投稿では、「集中力」を高めるための取り組みとして、「マインドフルネス」について紹介しました。「マインドフルネス」を実践すれば、人は「超集中」状態を作り出すことが出来ます。これまでの投稿では、「集中力」を「働き方改革」の側面から考えてきました。

しかし、なぜ「働き方改革を進めるうえで」これほどまでに「集中力」が必要であると押し続けているのか?今回はその理由について考えていきたいと思います。

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働き方改革が目指すものとは

まずは「働き方改革」目的についておさらいしてみましょう。「残業や長時間労働など、無駄な労働時間を減らし、短い労働時間でより効果的に成果を上げること。」これが「働き方改革」が目指す目的地です。

この目的を、

・労働時間を減らす

・効果的に成果を上げる

上記の2つに分けて考えてみましょう。

まずは、「労働時間を減らすには?」ということから考えていきます。なぜ多くの労働者は、なぜ残業をしてしまうのでしょうか?労働環境に関する研究機関である労働政策研究・研修機構がまとめた結果として、以下の3点が理由として挙げられます。

・自分で仕事のペースや手順を変えられない(または、変えられると思っていない。)

・企画・判断を求められる仕事が多い

・会議や打ち合わせが多い

出典:日本能率協会マネジメントセンター 「集中力 パフォーマンスを300倍にする働き方」井上一鷹

これは、企画・判断にかかる時間を減らし、会議・打ち合わせの時間を減らすことが出来、それを自分自身がコントロールできれば解決すると考えることが出来ます。では、どうしたら「企画・判断」や「会議・打ち合わせ」の時間を減らすことが出来るのでしょうか?

基本的に、「会議・打ち合わせ」の効率は始まるに決まると言われています。

・協議内容の要点を事前にまとめておく

・ゴールを事前に定めておく

これが出来ているかどうかでその会議の効率・有益性が大きく左右されます。

会議というと、終わり時間に非常にルーズであることは、誰もが認識していることと思います。しかし会議の効率を考える際、会議中のみに目を向けていては、会議を有益に進めることは出来ません。いい会議とは「スムーズに進めること」ではなく、「戦略・計画を立てて、ゴールをコントロールすること」なのです。

企業の中には、会議の際は全員が1つだけ企画案を考え切って持ち寄るというルールを運用している場合があります。さらにそのための時間として、会議前後に個人が集中するための時間をつくる制度を導入していたりもします。なぜこのような制度を実施しているのでしょうか?

人が仕事を進めるうえでの考え方として、1.仮説の構築~検証(個人)2.仮説の検証~再構築(チーム)3.仮説による計画の具体化という手順であることが理想的です。

多くの場合、「会議・打ち合わせ」がうまく進まない原因は「1.」の手順を省略している、もしくは「1.」の手順を十分に実施する環境にないことで、「計画・戦略」がないままに会議を行っていることにあります。これでは、その会議では「企画・判断を行う内容が多すぎる」「会議・打ち合わせの内容が多すぎる」といった状況になってしまいます。その結果、「長時間にわたる会議」「頻繁に開催される会議」を生み出してしまっているのです。そして、「会議・打ち合わせ」に時間をとられすぎていまい、時間不足から計画の具体化が行われないので、いい仕事に結びつかず、時間の浪費となってしまっているのです。

「会議・打ち合わせ」の効率的を上げるためには、個人で行う「仮説の構築~検証」、「仮説による計画の具体化」を十分に実施する環境を整えることが必要なのです。そして、そのために個人個人に求められることが、会議前後の時間に「いかに集中することができるか?」ということなのです。個人の「集中」を改善することが、「労働時間を減らす方法」の答えということです。次に「効果的に成果を上げる」ということについて考えてみます。成果を出すためには、広い「知識」と、深く特化した「知識」の両方が必要です。どれだけ広く知識を持ち、その知識がどれだけ深いものであるかによって、仕事の成果は大きく変化します。

集中する時間を確保して大きな成果を生み出す。

近年議論されていることとして、

日本企業は内製主義になりがちで、多様な価値観や考え方に触れる機会が少なく、イノベーションが起きにくくなっている。

出典:日本能率協会マネジメントセンター 「集中力 ぱパフォーマンスを300倍にする働き方」井上一鷹

という話があります。

どのような場面においても、0から1が生まれることはありません。多くの知恵や知識がかけ合わされて初めて大きな成果が生み出されるのですが、内製化が進むことで多様な知恵や知識を取り込む機会が減ってしまっているのです。

この実情を踏まえて、最近では「コワーキングスペース」という働き方が注目されています。これは、「自社のスペース」ではなく、「多様な企業の人や個人が集まって働くスペース」のことです。

日本においても一部では、「コワーキングスペース」を取り入れている企業もあります。「働き方改革」を行う上で、大きな成果を生み出すためのコミュニケーションは非常に重要な意味を持ちます。しかし、内製化が進み「知識の多様化」が難しくなっている今だからこそ、「コワーキングスペース」というものが大きな効果を発揮してくれるかもしれません。

しかし、これには問題点も存在します。それは、「知識の多様化」を求める環境では、「知識を深める」ことが難しいということです。「コミュニケーション」に気を取られるあまり、「集中」することが出来ないのです。

どれだけ知識を多様化しても、1未満の知識の寄せ集めでは知識を広めるたびに0に近づくだけになってしまいます。これでは大きな成果を生み出すことは出来ません。

自らの知識を深く深く集中したのちに、ふと視点を広げることで思いもよらない成果が導き出される。このときに必要とされるのが多様な知識です。このような形が大きな成果を生み出すのに理想的といえます。知識を深めて一人前になったのちに、多様な知識を取り入れて大きな成果を生み出す。「知識の多様化」と「知識を深める」ことにはこのような手順が必要なのです。

一般的な企業における社員の育成環境においても同じことが考えられます。社員の中でも若ければ若いほど、まずは一人前になることが求められます。しかし多くの場合、一人前になることを求められているにもかかわらず、一人前になるための時間が確保されていない場合があります。様々な領域の知識を覚えること、「知識を多様化すること」に注力しすぎて、深く考える時間・環境の確保が疎かになりがちなのです。これは「働き方改革」を進める会社であるほど、「効率」に気を取られて今うことで陥りやすい傾向にあるようです。

「知識の多様化」も必要ですが、まずは「知識を深めること」をおろそかにしないような環境を整えていく必要があると感じます。はじめに述べた「働き方改革」の目的である、

・労働時間を減らす

・効果的に成果を上げる

2点においても、鍵となるのは「集中する」ということです。

まずは個人が「集中」することが出来る環境を整えることが、「働き方改革」を進める第一歩になることでしょう。今回までの投稿では、「働き方改革」をテーマに、「集中力」の重要性を考えてきました。次回の投稿では、様々な集中力の高め方を考えていきたいと思います。次回の投稿もぜひご覧ください。

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