あなたは人にお願いごとをするとき、どのような話し方をしますか?自分にそのつもりがなくとも、相手が「一方的に要求された」と感じて嫌な顔をされるといった経験はありませんか?
また新人の間は、目上の型にお願い事をするだけでも腰が引けてしまうなど、新入社員にとっては大きな悩みになるのではないかと思います。
しかし、人にお願いごとをするときにも、うまく自分の思いを伝える話し方の型があります。
今回は、この話し方の型を使って、相手に快くお願いごとを受け入れてもらう方法について考えていきたいと思います。
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お願い事はギブ&テイクが基本。上から目線に気を付ける。
まず、お願いごとをしたときに「一方的に要求された」と感じる原因は何でしょうか?
それは、「要求されている理由が分からず唐突な印象を受ける」、「自分が要求にこたえる意義が分からない」の2点です。
なぜ突然にそのような事象が発生したのか?また、それは本当に対応する必要があるのか?ということが分からないままにお願いをされても、快諾しようとは思ってもらえないです。またその要求に応えても、引き受けた相手にとって何のメリットも感じられない場合も同様です。
では、どのようにお願いすれば快く引き受けて貰うことが出来るでしょうか?
お願いごとをするうえでの話し方のポイントは、「ポイント」、「利点」、「要求」の伝える順番を間違えない事です。
実際にどのような順番で伝えるべきか、例としてA君と会社役員のBさんの会話を見てみましょう。
A君「Bさん、営業部のAです。」(挨拶)
「当社の売り上げを3倍に引き上げることのできる企画を考えました。」(ポイント)
「うまくいけば、中期目標を1年前倒しで達成することが出来ます。」(利点)
「明日、30分でいいのでお話をするお時間をいただけませんか?」(要求)
Bさん「根拠はあるの?」
A君「はい、部長にも説明し、好評を頂きました。お話の際に合わせて説明させていただきます。」(万全の準備)
Bさん「分かった。明日、14時に会議室に来なさい。」
A君「ありがとうございます。」(感謝)
一見普通の会話のように見えますが、実はこの会話には、Bさんに快諾してもらうためのA君の工夫が多数盛り込まれています。Aくんはかなり仕事が出来ると言っても過言ではないでしょう。
では、この会話にA君が盛り込んだ快諾してもらうための工夫を見ていきましょう。
まずA君は初めに「これからこの話をします」という「ポイント」を共有しています。そうすることで、Bさんは「○○の件について話すんだな」と、話を聞くための心の準備をすることが出来ます。
次に、それを受けて「この企画にはこんな「利点」があります。」、「Bさんにもこんな「利点」があります。」ということを伝えています。これにより、Bさんはこれからお願いされることに対する異議を感じることが出来ます。
そして最後にBさんにお願いしたいこと、「要求」伝えています。
これは、「このようなメリットがあります。」「だから○○をさせてください。」というギブ&テイクの話し方です。もしA君が「要求」を先に伝えてしまっていたとしたら、「○○をさせてくれたら、メリットを与えます。」という上から目線の印象を与えてしまうことになり、快諾してもらうことは出来なかったでしょう。
「物事を伝える順番」、これは相手にお願いごとをする上で最も重要なポイントとなります。①「ポイント」、②「利点」、③「要求」の順番を間違えないように、日ごろから意識して会話を行うようにしましょう。
事前準備が結果を分ける。交渉は根回しと心配りを忘れない。
またこの他にも、A君の巧みな技が盛り込まれています。
A君とBさんの会話において、Bさんもさすがに一つ返事でOKとは言ってくれませんでした。A君の提案に対してただの思い付きではなく、きちんとした根拠に基づいたものであるかどうか確認をしています。
しかし、準備のいいA君は、事前に部長にも話をして好評をもらっているという事実を用意しています。これにより、BさんはA君の話に信憑性を感じることが出来、快諾の決め手となったと言えます。
仕事の仕方として、組織の立場の流れを逸脱しない事、まずは直属の上司に話をつけることは基本中の基本と言えます。しかし、実は実際の仕事の場でこれが出来ていない人が多々いることも事実です。
今回A君は、仕事の基本をきっちりと守るとともに、それをうまく利用して交渉の武器に変えたのです。
また、話の始めと終わりに、挨拶と感謝の言葉を忘れていないこともよい点です。人間同士の会話ですから、円滑な人間関係を築くための基本として、まず何よりも先に「挨拶」と、お願いを聞いてもらったら「お礼」を述べることを忘れないようにしましょう。
さて、今回はお願いごとを聞いてもらう際に、快く引き受けて貰うための話し方について紹介しました。目上の人に対して願い事をすることは、入社したての経験が浅いうちなどは特にハードルの高いことに思いがちですが、話し方の順番さえ間違えなければ恐れる必要はありません。また、その話し方の順番も、用意された基本の型に沿って話すだけの簡単なことなのです。
話し方の型は、実践を重ねることで自分のものとなり、自然と活用できるようになっていきます。是非今回紹介したお願いの仕方を実践して、あなたのこれからの仕事のお役に立てていただけたらと思います。
また、前回の投稿で「話が伝わらない」を解消する話し方の型を紹介しています。是非合わせてご覧ください。
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